アクションゲームクソ雑魚勢のためのサクナヒメ攻略法
この記事は、Twitterでめっちゃバズってる稲作ゲー「天穂のサクナヒメ」やりたいけどジャンルがアクションRPGだからためらっている人向けです。
戦闘難易度「低」でクリアしたアクションゲーム苦手なプレイヤーの個人の感想であり、当然のことながら検証的なことは一切していません。
戦闘やアクションを楽しむというよりは、むしろアクション要素をスポイルしてストーリーと稲作を遊ぶことを前提にしています。俺はこれでクリアできたよ、という一例として読んでけらいんね*1。
ちなみに私のアクション苦手レベルはこんなかんじです
- ゼルダブレワイ:英傑の服をMAXまで強化したうえミファーと妖精の助けを借りながら飯をもりもり食ってハートを補ってどうにかガノンに勝利
- スマブラ:攻撃されてなくても落ちて死ぬし基本カービィばっかり使う
- ゴーストオブツシマ:槍被弾率が異常
- 1.戦闘について -コメを育てて登鯉で殴ればいい-
- 2.移動について -サクナヒメの本当の鬼は水球-
- 3.武技の習得方法と余った武技枠について
- アクションゲームクソ雑魚勢のためのサクナヒメ攻略まとめ
- (追記)天返宮第百層の攻略
1.戦闘について -コメを育てて登鯉で殴ればいい-
サクナヒメの戦闘は、正直アクションゲームクソ雑魚ピープルにとってもさほど難しくはありません(※戦闘難易度を「低い」にする前提。アクションクソ雑魚自認してるのに難易度「標準」で戦おうとしている豊穣神は知らん)
米をつくり、米とかを食い、適当に農具で殴っていれば天返宮(やりこみダンジョン)以外のボスにはそのうち勝てます。米をつくって物理で殴ればいい。
しかしサクナヒメの戦闘で本当に苦労させられるのはボス敵ではありません。
こいつと
こいつ
あとこいつです
空を飛んでいる、あるいはひらひらと跳ね回る奴らが真の敵です。雀は害鳥。
アクションゲームフツウニデキル豊穣神たちはジャンプや武技、羽衣技を巧みに使って害鳥害魚たちを処理していくでしょうが、アクションゲーム雑魚神にそんな芸当はもちろんできません。その結果、雀一羽に逃げられまくってなかなか先へ進めず、お腹がへって日が暮れて撤退・・・となるわけです。
はっきり言いますと、序盤は対策がありません。害鳥めと怨嗟を込めて呪いを吐きながら必死に雀を狩っていくしかありません。ここは鬼島、過酷なのです。
しかしそんな苦難も、ある武技(必殺技)を手に入れたときに終わります。
その武技こそが「登鯉」です。
登鯉の素晴らしいところは、上下左右に異様に広い攻撃範囲と持続時間です。間合いにさえいるなら雀も棒立ちで撃ち落とせます。もう害鳥をおいかけてぴょんぴょんしなくていいんや…!
登鯉はストーリーを進めて稲作とかもちゃんとやっていると、そのうち覚えます。即座に武技の下↓コマンドに設定して*2ひたすら使いましょう。
なぜ下↓かというと、上と左右は別の武技を入れるからです(次項で説明します。)。ニュートラルに入れてもいいですが、アクション雑魚プレイヤーは力んで常に方向キーを何か入れてしまうのでニュートラルだけだと満足に発動できません。下↓に設定しましょう。
登鯉、最初は弱く感じると思いますが、レベルが上がると見違えるほど強くなって最終的には登鯉依存症になります。(登鯉依存症:登鯉を打つ⇒棒立ちで技ゲージがたまるのを待つ⇒登鯉を打つ、のbot行為しかできなくなるおひいさま)
黄泉神の敏捷性に対しては登鯉ですらちょっと力不足なところもなくはないのですが、それでもあきらめずにひたすら登鯉を擦っていればいつかゾンビも死にます。登鯉を信じろ。コメと登鯉を信じろ。
2.移動について -サクナヒメの本当の鬼は水球-
アクションゲームがふつうに遊べる人にはピンとこないことかもしれませんが、アクションゲーが苦手なプレイヤーにとって鬼門となるシーンは必ずしも戦闘ではありません。
「移動」
これがなによりも分厚い壁となって立ちはだかり、ストーリークリアをあきらめる原因になることが非常に多いです。
アクションゲームのクラシックレジェンド「スーパーマリオブラザーズ」のように、穴が開いていたり宙に浮かんでいたりする足場をジャンプでタイミングよく移動するとかが本当に、本当に、ほんっとうにできません。
私の実例だと、「カエルの為に鐘は鳴る」が移動ができなくて詰んでます。泣いた。
サクナヒメは羽衣での空中移動がひとつの売りになっているとおり、適切な足場移動がストーリークリアにはどうしても必要になってきます。
とくにやばいのは、移動する水の玉を乗り継いでいくステージ。超つらい。2回くらい泣きそうになった。
戦闘については救済をくれたえーでるわいすも、移動についてはあまり救済を用意してくれませんでした。稲作難易度を選ばせてくれるなら移動難易度も用意してほしかった(無茶を言うな)
ですので、基本的には羽衣移動を練習して、ある程度は使えるようになる必要があります。とはいえ、必須かつ直感的に習得しづらい動きはチュートリアルステージで教えてくれる「壁張り付き⇒ジャンプ」くらいなのでこれだけはしっかり覚えましょう。
しかし、アクションクソ雑魚神がなぜアクションクソ雑魚かといえば、慌てると羽衣移動なんて繊細な動きができなくなるからです。慌てたアクション雑魚プレイヤーがRボタンの存在を思い出せると思うなよ。
そんな慌てた奴を助けてくれたり、細かい羽衣移動をショートカットさせてくれる武技があります。
「飛燕」です。
飛燕は発動直後に入力した方向キーの方向に向かって一瞬で移動しつつ攻撃をする武技です。雷の呼吸壱ノ型。
そう、飛燕は移動しつつ攻撃する技です。それも一瞬で。ある程度育ったサクナヒメの技ゲージが満タンだったら2発連続で打てます。
飛燕を使えば、ジャンプしてあとちょっと足りなそうなときにシュッ!と移動して落下を免れたり、斜めに羽衣出すのがうまくいかない時に↑→の2段階移動ができたりします。慌ててるときにRボタンを押すのは難しいけど、登鯉擦りまくってるAボタンは押せる可能性が高い。
ちなみに、飛燕は発動直後の入力キーの方向に移動するので、武技発動コマンドのどこに設定していても上下左右斜めに移動はできます。しかし、我々はアクションクソ雑魚神なので発動コマンドの方向キー=移動する方向、にしておかないと暴発必至です。
よって、移動で頻繁に使うであろう上↑と←左右→に設定するのがベターです。なに?左右には胴貫打ちがある?捨てろ。戦闘は登鯉だけでいいんだ。
ただし飛燕設定していても水球ステージは難しいし迷います。がんばれ。水球ステージ以外はごり押しと食事で乗り切れるから。
3.武技の習得方法と余った武技枠について
武技は育てているコメのステータスが一定値を超えると獲得できます。つまり、うまいコメをつくるとそれだけ楽になる。なのでコメを作れ。うまいコメを。詳細な数値は各自ググってけらいん。
空いているニュートラル枠のの武技は好きなのを設定して大丈夫です(前述のとおり、そもそも狙って発動できない可能性高いし)。個人的には「雷霆万鈞」が強い&空中技なので安全に着地できて便利だと思ってます。登鯉は地面の上にいないと発動できないので。
以上、アクション苦手な豊穣神へのサクナヒメプレイヒントでした!稲作は楽しいし、ストーリーもええ話だなあ…サクナかわいいなあ…ゆいちゃんかわいいなあ…ってなるので、アクション苦手でもチャレンジする価値はある作品です。稲作楽しいし。
それでは、よき稲作ライフを!
アクションゲームクソ雑魚勢のためのサクナヒメ攻略まとめ
- 武技は↑飛燕、←→飛燕、↓登鯉、ニュートラルはお好みで
- 戦闘はコメをつくって登鯉で殴ればいい
- 羽衣で壁張り付き+ジャンプだけはできるようになろう
- コメをつくれ、うまいコメを
(追記)天返宮第百層の攻略
天返宮第100層だけは登鯉を信じるな。黄泉神やアシグモとは違って、一瞬で移動することができる相手なので登鯉が本当に当たらない。登鯉のことは忘れろ。
ただ、武技構成は変えなくていい。
攻撃手段は敵が着地していて間合いにいるときに飛燕←→。これがいちばん確実にダメージが入る。技ゲージがあるなら2回連続で放て。仮に敵がサクナの右にいるならば飛燕→、間髪入れずに飛燕←。
もちろん稲作や食事バフは前提。長期戦になりやすいのでとくに腹持ち大事。玄米飯を食え。
百層より先?知らんな。
遙かなる時空の中で7 全体・キャラクター別感想
ネオロマンスの人気シリーズ最新作「遙かなる時空の中で7」の全ルートプレイが終わりました~!
体験版もあるので、ちょっとでも気になる人は触ってみてください。
遙か7のネタバレ無しのおすすめポイントについては以下の記事がおすすめです!(いつも楽しく読ませていただいてます~!)
では以下、感想です。思うところを書き散らしていくかたちになります。気になるところだけ拾い読みしちゃってOKです。
当然ながらネタバレたくさんあります!
遙か7全体について
与する陣営の異なる八葉と各ルートのボス
今回の遙か7は戦国時代末期、関ヶ原の戦い1年前から物語がスタートします。八葉には西軍(真田幸村・直江兼続)と東軍(黒田長政・柳生宗矩)の両陣営が含まれ、兼続のセリフじゃないですが呉越同舟っぷりがすごい。
本来なら敵同士である者が共闘するシナリオで納得感のある敵を用意するのってけっこうテクニカルなのですが、さすがはコーエーテクモ、見事に納得感のあるルートボスを配置してくれましたね。
紹介するぜ!
一人目!内乱って最高に国力が弱くなりマース!内憂外患とはこのこと、国ごと奪ってワタシが神になりたいカピタン!
二人目!秀吉死すとも恨みは消えず!理不尽に殺された恨みは理不尽に殺すことでしか癒せない、復讐の鬼ターラ!
三人目!大名どもはそもそも全員臣下です!足利こそが日の本の正統統治者、時計の針を逆回ししたい平島義近!
いや~、攻略してて三人が出そろったとき感動しましたもん。外国勢力、乱世の被害者、乱世前に戻したい奴。戦国時代がいかに転換点だったかがよくわかるラインナップです。
そして彼らが全員「いまの日の本と民はどうなってもいい」と思っているので、関ヶ原の陣営がどっちであろうと八葉にとってこいつらは敵なんですよね。団結してこいつらをボコる理由がある。戦闘ありのアドベンチャーゲームとして非常に良い敵キャラたちでした。
現代と戦国を行き来できるギミック
私は遙かシリーズを1,3,6,7しかプレイしたことないんですが、時空飛んでから現代にもわりと任意で戻ってこられるのは7が初めてでした。
正直これめっちゃエグい展開に使えるだろとわくわくしましたね。現代に戻ってる間に取り返しつかないくらい時間が進んで(たとえば関ヶ原前からいきなり大阪夏に飛んじゃうとか)愕然とするルートひとつくらいあるだろと思ってた。無かった。
それはそれとして、現代にちょこちょこ帰れるおかげで、令和のモノに触れて驚いたり喜んだりする八葉を見るのは楽しかったですね。オペラグラスにうっきうきする兼続さん好き。まだアイテムイベント全部見てないので、時間見つけてコンプしたいです。
過去の因縁についての説明を省かない
長政も言っていましたが、「戦は何十年、何百年もの因縁があって起きてしまうもの」です。どっちにも言い分とか理由とか義とかがある。一方(とくに負けたほう)を悪者にしたり、愚者として描くのはかんたんだしウケもいいんですが、遙か7では史実人物は徹底的にリスペクトをもって扱っていたのでうれしかったです。
これぞ令和の歴史ゲーよ。あっぱれじゃ(誰だ)
関ヶ原から逃げなかった
五章の富士で龍脈正したら一回ED流れるじゃないですか。あれのせいで「おや、もしや今回の遙かは個別ルートはエピローグのみなのかしら?」という淡い期待を抱いたんですよね。いや、ボリューム的にそして恋愛ゲームとしてはあっちゃならねえんですが、でもほら、そのさきは関ヶ原だってわかってたじゃないですか。
めでたしめでたし。あとは推し八葉といちゃいちゃしようね。
遙か7、完!
みたいなのでも…いいかなって…。
まあだから六章始まって三成が出てきたあたりで心臓がキュッってなりましたよね。あかんこれ関ヶ原やるわと。その時の叫び(ふせったーになげたもの)がこちらです。
遙か7なんですが、コーエーテクモーーーーー!!!!これFE風花雪月じゃねーかーー!!!!#悲鳴
もういつミルディン大橋がくるかとドッキドキしてました。ネオロマだから八葉を殺すことにはならんだろと信じてはいましたが非常に心臓に悪かった…。
もちろんこの「天下分け目の大戦」があるからこそ八葉との絆も深まってエンディングが感慨深いんですけれどもね。
そうそう、関ヶ原の趨勢をどのルートでも史実と同じにしたのは意外でした。そのタイミングで死ぬ人が死ななかったり(秀信とか)はしましたが、徳川の世が来ることは変えなかった。西軍側のルートだったら三成方が勝つって展開もあるかなと思っていたんですが、それをやらずにほぼ史実通りの流れになっても顔をあげて生きる八葉を描いてくれたの素敵でした。
(後で調べたら、遙かシリーズは基本史実を大きく変えない形でストーリー進行するのが不文律らしいですね。素敵)
八葉について
ここからは八葉一人一人についての感想とかルートについて考えたこととかです。私が攻略した順番で書いていきます!
直江兼続(地の白虎)
大河ドラマ「真田丸」で村上新悟さん演じる直江兼続にハートを撃ち抜かれていたので、遙か7の八葉にいると聞いてウッキウキしていました。共通ルートでもアイスに感動してんのがかわいかったので、初回で攻略。
富士での龍脈浄化前から「君と米沢に行けたなら…」って言ってくれるし、五章終わりでプロポーズしてくれるし、こう、チャンスがあったならきっちり捕まえてくるかんじも好きでした。大人ではあるけれど、感情を隠したり押し殺したりはしない人。そこに長政や宗矩との違いをかんじます。
三成がらみのイベントはCV竹本英史さんのお芝居も相まって苦しくなりました…。その後数か月、仕事はしながらもカピタンへの怒りと憎しみを抱きっぱなしだったのゾワッときます。カピタン討伐しないで死ぬことになったら兼続のほうが怨霊化しそうな雰囲気でビビったわ…。
好きなイベントは「いつか実現する世界」。みんなが腹いっぱいの握り飯を食べられるような世界が、兼続にとってどんなに遠く眩しいのかがよくわかるシーンでした。米どころになった米沢の写真を見て希望を抱く様が、本当に美しかったし支えたくなった。兼続ルートでの神子が他ルートに比べて武家の女っぽくなるのは納得なんですよね。支えがいのある人物です、直江兼続。
ところで、神子が兼続に種芋あげるシーンで「じゃがいも!?まずいですよじゃがいもは警察が来る*1」と思って日本へのジャガイモ伝来がいつなのかWikipediaしてみたら慶長三年(遙か7本編の1年前)なので、ギリ米沢に伝わることもあり得るタイミングでした。コエテクすごい。
黒田長政(天の白虎)
自分に厳しく他人にも厳しい正論マン。銃剣で神子のあごを持ち上げる最初のスチル、好きです。
自分に天から与えられた役目(大名や八葉)を全うすることを常に最優先し、泣き言も言わないし手は抜かないしもちろん投げ出さない。世の理や流れを良く知っていて、自分のするべきことのために役立てることができる。悪徳ではない敏腕弁護士・政治家ってかんじだなあと思ってます。それがよく表れているのが長政ルートの神子強奪や、幸村ルートでの陽動ですね。商人屋敷のパワハラ陽動大好き。
一方でふわラテが好きなの、チャーミングですよね…。かわいい。あんまりかさばらないからある程度の量は戦国に持ち込めてるといいな。
ところで温泉スチルがえっちすぎてけっこう動揺したんですが、他の神子様がたはいかがでしたでしょうか?
柳生宗矩(地の玄武)
朴訥な人かと思ったら、一度タガが外れると人前でのいちゃつきに最もためらいがないタイプだった。けっこう肌に触れるシーン多いよね。武蔵くん、手紙音読させてホントごめん。プレイヤーは止めてあげたかった。
シナリオとは関係ないんですが、彼の確率即死術がルートのボスにも効いてしまう仕様はあれでいいのか。助かりましたけど。
活人剣のエピソードを、神子を人の世に取り戻す手段として使うというプロットは綺麗でしたね…!もともとすごく強かったのが、理由を得て神業レベルに強くなる話好きです。鬼の一族という生まれと、背負い経験してきた苦悩にがんじがらめになるターラを宗矩が解き放って(切り離して)あげる流れとも呼応していました。ターラが天に還るシーン、美しかったな…。
(辛口感想)
ところでシナリオへの苦言になってしまうんですが、宗矩のもつ"鬼の一族の力"の描き方についてはちょっと思うところがあります。
鬼の一族が人間と共存していこうとしてきたのはいいことだし、その過程で血が薄まって力に差がなくなるのも自然なことです。ただ、隔世遺伝的に鬼の力が先祖返りした宗矩が「人間と一緒に生きていくために基本その力を縛っておく」というのはマジョリティの平穏のためにマイノリティが配慮している構図なんですよね(黒人が足が速いのを隠すみたいな)。
宗矩の立場からすれば妥当な決断ですし、まだあの世界の人たちも鬼の一族を力ごと受け入れる準備はできていないので仕方がないこととは思います。とはいえ物語的には誰か(家康とか神子とか)に明確なフォローを入れてほしかった。すまないな、の一言でいいから。生まれ持った特徴を隠すのは、それがどんな特徴であれ悲しいことです。ターラの親のような「力を振るって弱い人間どもを支配してやろう」を否定することと、生まれ持った強い力を無いものとするのは話が別。
もっと言うと、"人間と同化していく"が本当にいいことなの?という観点もあるわけで(マジョリティと同化すればハッピー、だと多様性の否定そのもの)。本当に鬼の一族は扱いが難しい。それでもシリーズ通して逃げずに扱い続けているルビーパーティには頭が下がります。遙か無印でイノリが詩紋に忌避意識向けたときの描写とか素晴らしいですよ。(辛口ここまで)
佐々木大和(地の朱雀)
体験版までだとそんな好きじゃなかったんですが、第三章以降のイベントでぐいぐいプレイヤーの好感度を上げてきた男。キュンキュン度では今回の八葉で最高でした。超かっこいい。
現代で大和の家の状況が描写されたとき、めっちゃ反省したんですよね。想像してたよりかなり親子関係が酷い状態で、大和のあの態度がむしろ環境を考えれば頑張っているほうだったのだとわかって、申し訳なくなりました。無意識のうちに、「そんな周りや親とそりが合わないくらいでひねくれちゃってー。心開きなよー」みたいに、大和の苦しみを小さく見積もっちゃってたんですよ。たぶんゲーム内の神子もそうだったんじゃないかと思うのですが。酷いし失礼なことをしてしまったと頭を抱えました。ごめん大和。ネオロマは大事なことを教えてくれる。
信用できる人々に囲まれ、打ち込めるものを見つけた大和の伸びやかな成長ぶりは見ていて気持ちよかったですね。どんどんいい男になっていく。プレイヤーがもっともメロメロ(死語)にさせられたのは大和ルートでした。後半からどんどん柔らかく、ちょっと幼ささえ感じるような口調になっていったのが印象的でした。本来はこういう子だったんだなあって。大和の笑顔立ち絵、かわいいですよね。
お父さんと決別しに行くシーンは、まさに令和のゲームだなあとドキドキしながら見ていました。きちんとまっすぐに自分のことと自分がしたいことを語る大和はとても格好良かったですし、お父さんが、かつては日本でも元服などの人生の節目で行われていた「新しい名前を与える」をしてくれたのが大変に美しかった。最後の最後に背中を押してもらえてよかったね。
親子であっても理解し合ったり仲良くしたりする必要はなく、距離を置いて自分の人生を歩めばそれでいい。相手の健康と安寧を祈ることができるなら尚良い。遙か6の秋兵(同じく地朱雀)でも親子関係がテーマになっていましたが、一歩進めてきたかんじですね。
スチルについて。大和は自分名義のスチルだとかわいかったりおもしろかったり系の顔をしてることが多いんですが、他の八葉や全体のスチルだとすごい綺麗な顔してること多いです。かっこいい男だ。
宮本武蔵(天の朱雀)
しゃべるたびにほっこりするね!
めげるししょげるけど食って寝たら忘れる、恨みも怒りも悲しみも溜め込まない、人の善い側を見ようとする真の陽キャtheポジティブ人間でした。誰からも好かれるように見えるけど、武蔵くんが武蔵くんであるだけで自分に負い目を感じてしまうようなタイプの人間は武蔵くんに苦手意識を持つので、万人からは好かれないし何なら理不尽に誰かから恨まれてると思う。
大和のあとにやったので、お父さんが出てきたときは「お、どんな朱雀対比が!?」と思ったら凄い勢いでスルーしててびっくりした。人を恨まなすぎる。似たような環境にあっても、その人の性質によって乗り越えるべき課題は変わるんだなあと感心しました。
武蔵くんのシナリオを振り返ると、彼は常に目標を自分の外側に持っているのが印象的です。大和がどちらかというと今・現在「良い・正しい・そうするべきだ・充実する」と感じることをやり続ける結果として人間/剣士としての成長があるのに対し、武蔵は「父上のようになりたい」「師匠のようになりたい」「姫様に憧れてきた」という感じで周りに目標を見つけ、それに自分を近づけていくというプロセスをとっています。天地朱雀の対比は何よりも、どういう「動機・プロセスで天下の剣豪になるのか」に現れているんですよね。(この性質が悪い方向に出ると大和は刹那主義になり、武蔵はあいまいな目標に向かって無茶をすることになる)
ところで武者修行後の武蔵を一発で認識した長政さま、いい上司。
天野五月(地の青龍)
ネオロマじゃなかったらヤンデレ描写が濃ゆく描かれたに違いないお兄さん。私はこういう男すきですよ。欲しいものに対して手段は選ぶな。エンディングの会話が完全に束縛系の彼氏で半笑いになってしまった。
彼と神子の関係については「そんな高いところにいないで もう一度この地上に帰るんだ!」がすべてみたいなところがありますよね。手の届くところにいてほしい、そばで笑っていてほしい、束縛は愛ではないとしても毎日顔が見たいくらいは願わせてほしいし、天高いところにいるお前と愛情を交わすのは難しすぎる…というところでしょうか。非常に人間らしくていいっすよ、星の一族の能力バンバンに使っててチートではあるんですが。
神子が白龍になっている間の描写もすごく良くて、「神は人間を区別しないから識別記号である名前を認識できない」「見ることはできるが触れることはできない」「個別の人間に影響を与えたり交流することもできない(一帯に雨を降らせる、とかがせいぜい)」…というかんじで、スケールと世界の認識差みたいなのが描写されてたのがすごい好みでした。人間の単純上位互換のかみさまもいいですが、こういう「上位存在になるがゆえにできないこと(する必要がないこと)が発生している」という設定の描写はおもしろいです。
三成については三成本人のパートで。
阿国(天の玄武)
体験版を先にやっておいたので、製品版やったら阿国がとにかく神子を戦国に連れていくまい、戦に巻き込むまいと誘導しているのに気づいた時はほほえましくなりましたね。やさしい人だ。
阿国ルートのテーマを私がまとめるなら「本当の自分自身を生きるとはどういうことか」という表現になります。戦国大名の息子にしてはえらく現代的。
いわゆるアイデンティティにかかわるものを複数重ね合わせでもち、そのことに葛藤しているのが阿国なんですよね。
昼間は偽物・仮初・本来の役割ではないと思っていた阿国としての生き方を神子が肯定して背中を押し、夜には隠され逃げている光慶を神子が慰め受け止める。両方の生き方を認められたことで、阿国=明智光慶が「ややこしいけどどちらも私」と言えるようになる流れはすごい綺麗でしたね。
ミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」や「キンキーブーツ」を思い出しました。あれも生まれ持った身体とは逆の性別の衣装を身にまとう人々のアイデンティティの物語です。
阿国についても「人を楽しませるための舞もいいけど自己表現としての舞もいいね」というような気付きがあったように、とにかく複数の価値観やあり方を丸ごと受け入れよう、というのが阿国ルートだなと感じました。だから最終的にすごく現代的な「個人」として生きていくことになる。
阿国のシナリオはスチルが全体的に艶やかで色気があって美しく格好よくってドキドキするんですよね…。眼福度の高いルートでした。
真田幸村(天の青龍)
あの…ヤバかったですね。
ちょっとこのルートについては私の語彙力がかなうかどうか…。精一杯つとめますが。
今回の八葉は全員天地の対比が綺麗なんですが、天地青龍は頭一つ抜けているクオリティだと感じました。ラストがもう真逆だもんね、「神域で永遠の幸せを得る二人」と「人になった神が愛する人と束の間の幸せを味わってやがて死ぬ」。白龍になった神子を名前を呼んで取り戻すシーンのスチル、見事に構成(視点の位置)まで対比になってたよ…。
シナリオを通してひたすら幸村が「義の人」であること、義を貫くということはああいう最期を迎えざるをえないのだということをこれでもかと突きつけられてですね。愚かと言ってしまうこともできるけど、ただ哀しく、その生きざまに「天晴だった」と目を伏せるしかないみたいな気持ちでした。人の身だからこそ美しいんだけど、人の身には厳しすぎる生き方。
うん…素晴らしいシナリオだった…。素晴らしい真田幸村でした…。(力尽きた)
あ、夏の陣で槍振るうCGかっこよかったですよね!冒頭で見たスチルの差分なのに、なぜか幸村が一回り大きくなったようにかんじて鳥肌が立ちました。
あとスマホで写真撮って見せたら信幸兄上といっしょに「偵察にいいね」「敵将の人相書き回すのにもいいですよ」って楽しそうにしてるの笑った。なんでもかんでも軍事転用しやがって、秀信を見習ってくれ。
八葉以外のキャラ(思いついた人だけ)
石田三成(天野三鶴)
兼続ルート中盤で「あ~この人が三鶴なんだな~。五月ルートで正体バレだろうなー」とか思ってたらいきなり凄惨な死に方してびっくりした。五月ルート以外ではすべて死んでいるのがすごい。
五月ルートでようやく助けたと思ったら、さりげなく鱗をむしってて爆笑した。さすが現代人が佐吉になって三成になっただけある。いい性格をしたお兄さんでした。
筒見屋つばき
妹が目立ちがちだけどめちゃんこ有能だった人。あまりに仕事ができる。阿国ルートで阿国に細川家行きをうなずかせるシーンはやり手の営業だった。形成が悪いと思ったら神子から落としに来たし、「得意先からの依頼なので断られると困っちゃうんです…」って最後の一押ししたのとか怖かった。
筒見屋あやめ
かわいかった。どんなときでもけなげに世話をやいてくれるので心の安定が保たれる
織田秀信
帰る場所になってくれてありがとう~!岐阜城の安心感よ。
カピタン
同情の余地がない悪だった。大和ルートで言った「邪道を行ったら、偶然別の邪道にぶつかった」ってセリフが大好きなのでいつか使ってみたい。
ターラ
見た目と声が好き。肉感的なお姉さん最高。しつこいくらいの食い下がりが特徴的だったけど、そもそも八つ当たりだからゴールも撤退ラインもないんだよね…。
平島義近
遙か7の世界に深みを与えた功労者。足利のこととか一ミリも考えてなかったよ…。阿国に放った「おかわいそうな光秀殿」の言い方がすごい良かった。
結城喜太郎
ぜったい悪い奴だと思ったら真人間だった。ある意味遙か7で一番のびっくりポイント。あの立ち絵であの声で真人間って限りなくトリックの類でしょ。
大団円ルートやりながら、「ここで真のラスボスとして結城喜太郎が出るかもしれない…」って警戒してたくらいにはうさんくさかったよ。ごめんね。
感想は以上です!あ~楽しかった!いいゲームでした…。ありがとうルビーパーティ…。
プレイ中のつぶやきが見たいという暇を持て余した方は以下のmin.tをどうぞ。
オブラ・ディン号の帰港(Return of the Obra Dinn)のネタバレなし感想&攻略ヒント
クリアしたぞオブラ・ディン
Papers, pleaseの製作チームがリリースした推理アドベンチャーゲームReturn of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰港)をクリアしました!
ゆるゆるプレイしてクリアまで2週間くらい。実プレイ時間は15時間。さいっこーに楽しみました。
「オブラ・ディン号」
情報、求む
1803年、航海中に消息を絶つ
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竣工年・場所:1796年、ロンドン ~ 800トン、喫水18ft
船長:R. ウィッテレル ~ 船員数:51名
最終航海の目的地:東方 ~ 喜望峰に予定どおり到着せず
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同船に関する証言および質問は
イギリス東インド会社まで
ある保険調査官の体験をモノトーンで描くアドベンチャーゲーム
時は1802年。200トン以上の交易品を積んだ商船「オブラ・ディン号」が、ロンドンから東方に向けて出港した。その6か月後、同船は予定されていた喜望峰への到達を果たさず、消息不明扱いとなった。そして今日、1807年10月14日早朝のこと。オブラ・ディン号は突然、ファルマス港に姿を現す。帆は損傷し、船員の姿も見えない。これを受け、東インド会社ロンドン本社所属の保険調査官が、ただちにファルマス港に派遣された。同船内を直接調べ、損害査定書を作成するために――。
「Return of the Obra Dinn」は、探索と論理的推理で展開する、一人称視点の謎解きミステリーアドベンチャーゲームである。
(Return of the Obra Dinn on Steamより紹介文引用)
オブラ・ディンのここがすごい
しっかりと頭を使うことができるアドベンチャー
本作は紹介文の通り、探索と推理力で進めていくゲームです。最低限のチュートリアルとヘルプ文が用意されているのみで、どのように筋道立てて事実を解明していくのかはプレイヤーに委ねられています。ヒント役のキャラとかいません。手がかりが見つからないとこうなります。
まーーーーじでニット帽マンの名前がわからなくてすごい困る。オブラディン号の帰還は実質「君の名は。」
— ハリハリ@11/17夜幻水コン (@harimarin) October 22, 2018
その分、手がかりがつながったときの気持ちよさはハンパではありません。ネタバレになるから名前出せないけど彼とか彼とかわかったときPCの前で踊りましたわ。
ニット帽マンの名前わかったあああああああ!!スキップいくない!!!(オブラディン号の話です)
— ハリハリ@11/17夜幻水コン (@harimarin) October 31, 2018
難易度低めのアドベンチャーやノベルゲーももちろん楽しいですし私も大好きですが(最近すげえなと思ったのはネットハイ)、たまにはこういうガッツリとプレイヤーに挑んでくるゲームもしびれますね。
音楽・効果音の使い方が素晴らしい
とりあえずこのPV見てほしいんですけど、めちゃくちゃメインテーマかっこよくないですか!?
ゲームやるとこのレベルのBGMがガンガン聞けるんですよ。*1全部で何曲あるのかはわかんないんですけど20曲くらいはあるんじゃないかな…。サントラ発売はよ。
そしてこのゲームは、効果音&効果音的な短い音楽(ゼルダの謎が解けたよ音とかの類い)の使い方が異様にうまいです。イベントシーンで音ハメしてくるときあるんですけど、渋すぎてそのシーンだけ何周もしたくなる。
親切なUI設計
プレイヤーによっては心折難易度なのをカバーするためか、このゲームのUIは非常に考え抜かれています。
ゲーム中何度も何度もペラペラとめくり続ける、オブラ・ディン号乗員乗客の安否を記載していく手記がなんだかんだ使いやすい。不思議な力で現在地とか教えてくれるし、顔を見たらスケッチと照らし合わせてくれるし。
「手書きメモ必須」と書いてるレビューもありますが、個人的にはなくても全然いけるかな…。多少プレイ時間は延びるかもしれませんが、PCのみでもまったく問題なくクリアできます。
淡々とした調査の中で芽生える親近感
亡くなった人が「死んだ瞬間」に立ち会うことができる不思議な懐中時計を使って、プレイヤーはオブラ・ディン号の調査を進めていきます。
調査対象者は総勢60人。序盤はマジで先がみえず「いや無理やろこれ…多すぎるしハゲは区別つかねえしマジ調査投げたい無理」みたいな感じで、ごちゃごちゃとした人の多さに若干のイラつきすら感じていました。
ですが、調査をすすめていくうちになんだか愛着がわいてくるんですよね。最初ヤベー奴だと思ってた人の意外な側面を見たり、平和な時間帯の表情を見たり、人間関係を理解していくので。だんだん顔と名前がふつうに一致してきちゃって、自分が61人目の乗組員のような気すらしてくる。(私の推しは士官候補生ズです)
淡々としたゲームなのに、船を下りるときに不思議と寂しさを覚えたのが心に残っています。
オブラ・ディンのここはイマイチ
めちゃくちゃ船酔いする
3D酔いしやすい人は注意してください。めちゃくちゃ酔います。酔いました。
それでもプレイしちゃうくらいの魅力はありますが、吐き気と頭痛をこらえながらの調査は心身に悪いので自衛してください。
設定から「カメラ操作スピード」を調整すればいくらかマシになります。
詰まったときのフォローが皆無
オブラ・ディンのゲーム設計的にしかたないんですが、完全にわからなくなってしまった時のリカバリーがゲーム側からは提供されません。プレイヤーは気分転換しつつ根気よく推理と探索を続けるしかない。私がプレイしていたとき、一番ほしかったのは「既プレイでヒント出すのがうまい友人」でした。
ですので、ここからは私が考えるオブラ・ディン号の調査をスムーズに進めるコツみたいなのを書いてこのエントリを終わろうと思います。
オブラ・ディン号の帰港 攻略のヒント
手記を使いこなす
オブラ・ディン攻略のキモはなんと言っても「誰が誰か」の特定です。この要素が8割。ですので、手記には人物の特定作業を楽にするための機能がしっかりついています。特に以下の2つは見落としがち、かつ使えるととても便利なので覚えておいてください。
- 注目(E)⇒手記を開く(Tab)で注目している人物のスケッチに移動
- 人物名の選択肢「不明 役職名」は、役職だけがわかっているけれど名前は特定できていないときに使う。
手記は全体に目を通す
攻略につまったときは手記の全体を眺めるのがおすすめです。出来事の流れを把握しておくのは攻略の第一歩。また、用語集は読んでおかないとかなり攻略が厳しくなります(船舶用語に詳しい人以外は)。
会話はスキップしない
すでに見たことのある出来事は会話・音声をスキップして探索に入れるのですが、できるだけスキップしないことをおすすめします。視覚情報に比べて繰り返し触れる回数が少なくなる分、情報が盲点に入りやすいです。かなりクリティカルな情報も含まれているので、会話は毎回ちゃんと聞いて読みましょう。
レアケース脳は捨てよう
このゲームでレアケ脳やってるといつまで経っても推理が進みません。すべての手がかりは制作者からのヒントなので素直に受け取りましょう。ボブと呼ばれている男がいたらそいつはボブですし、船医だと名乗った人は船医です。
それでもわからなくなったら
英語のサイトですが、Gameplayがちょうど良いヒント集をつくってくれてるので、どうにもならなくなったら見るといいと思います。私も使いました。
他のサイトだと答えをそのまま載せてたりするので、自力で探すときはご注意ください。
以上、オブラ・ディン号は楽しいぞというお話でした。みなさま良い調査を!
*1:聴いていられる心境かは保証しない
降谷零ガチ勢による生オーディオコメンタリーつきゼロシコ鑑賞会ログ
先日、オーディオコメンタリー(生)つき劇場版名探偵コナン「ゼロの執行人」のブルーレイ鑑賞会をしました。
降谷零ガチ推しの友人、もふこさん(@mofuco)が
一度でいいので誰かに横にいてもらってぼくの垂れ流す言語を聞くだけの執行人鑑賞やりてぇ
とつぶやいてたので「聞きたい」とマジレスしたらほんとに開催されました。
フットワークが軽い。素晴らしい。
もふこさんは↓みたいなかんじで降谷零を推している人です。よく「倫理観が低い」「人間性が低い」って言ってます。
最近は水曜日(サンデー発売日)のたびに死んでます。ゼロの日常のせいです。
そんなもふこさんのコメンタリーがとっても楽しみだった私は、当日ペンとノートを持参して観賞中の2時間弱メモを取り続けました。馬鹿です。
そのメモをせっかくなので書き起こしたものがこのエントリになります。字が汚すぎて大変だった。
以下、基本的には降谷零ガチ勢もふこさんのコメントを箇条書きにしています。
同席者のコメントも一部混ぜました。(同席者A)みたいなかんじで書いてあります。
開催は平日の夜だったんですが総勢6人集まりました。こんな遊びができるのも安室さんのおかげだね!
さて、ここから先はゼロシコのネタバレ満載です。
ひたすら箇条書きが続きます。
発言順に載せてますので、映画内の時系列順に沿ってないこともあります(見ているシーンの前後について言及していることがある)。気合で読んでください。わかんなかったら円盤とか4DXとかで見てきてから読んでください。
鑑賞開始
・青空の屋外は少年探偵団とアガサ博士にのみ許されている
・哀は江戸川がいると屋外に出られない(過保護)
・灯台=安全を守るものがクライマックスで脅かされる
・サミット会場のモチーフは「和」=日本が爆発→安室が本気になる
・先に大切な存在がピンチになったのが安室だったため、ゼロシコは全体を通して安室が先手を取る
・少年探偵団のゆるふわ感から公安の緊張感あるBGMへの切り替わりが良い
・メインテーマがかなり極端にアレンジされていてなかなか聞きなれない(最後だけいつものアレンジに近くなる)
・いつもは「俺は高校生探偵の工藤新一」でフラッシュが焚かれるがその演出がない
・音声ガイドでバーボンの説明は「褐色のイケメン」。褐色という描写はその後もちょいちょい出てくるが、イケメンはこのときのみ
・アガサの家に貼られた付箋が白と黄色。それぞれ降谷と安室のイメージカラーに合致してて気持ち悪い
・警察は暗い室内で会議
・風見が小五郎の情報を持ってくるシーン、風見を大きく見せるカメラワーク(かるく俯瞰)
・アイコンタクトだけで指紋とかの情報を出す有能なPC操作刑事
・前半のコナンの服が黒い→後半になるにつれ赤くなる。(通常時のイメージカラーは青)
・新一とコナンのスマホを明確に区別するため新一のスマホが代替機。代替機は白(=公安)、コナンのは赤
・江戸川がいなければ哀は屋外に出られる
・光彦「おうち…うち…宇宙!わかりました!」→過程が適当でも答えがあってれば気にしない公安スタイル
・高木の情報漏洩。江戸川が影の側にいて、高木も逆光のため顔に影が。このときの話題は事件による人死に。
・江戸川が本気になると同時にスケボーのエンジン音気持ちいい
・光と影がくっきりと分かれた探偵事務所。小五郎の足元が影に絡め取られ、影の中に引きずられて行く
・園子が怒り、江戸川が走る
・ポアロ前の会話。電柱によって安室と江戸川の間に境界がある。江戸川が歩み寄ると安室がガラス戸を閉めて境界を再度つくり、闇の中へ消える
・風見@サーバ室と安室@電話ボックス、安室の手元だけが明るい。夜が明けて世界が明るくなると安室は真っ黒な影になる
・本来夜明けの時間帯に飛行機は飛ばない
・電話ボックスはガラスに区切られた空間
・警視庁会議。佐藤・高木と公安で通路を挟み机が分かれている(境界)
・白鳥が風見と対になる動きをしている(コナン側への情報提供。通常は高木の役割)。風見と同じ、劇場版初出キャラだから?
・橘境子のバッヂをまず映すのいいよね
・橘境子=境界上に立つ者
・日下部誠=日の本に誠を尽くす人
・調書を見るときの日下部の目元がグっと寄るの、2回目だとまったく意味が違って見えるwww
・ゼロシコはほとんどのキャラが、個人的な使命(目的)と所属組織の目的が微妙にずれている
・岩井 紗世子のシーンは必ずウォーターサーバーが映る
・紗世子の部屋は他シーンに比べてインテリアや紗世子の芝居の情報量が多い。実写っぽい。ドラマ相棒感。
・境子はガラスの向こうに手を伸ばす。
・ガラスに映りこんだ境子。ダブルフェイスの暗喩?
・差し入れ()に来た安室に声をかけられたとたん、同じ「コナン君」の演技でも目暮警部に対するものから変化。安室を警戒している。
・安室の煽りムカツク~~~~~!!!!好き~~~~~~~~~~~~~!!!!!!
・帰り際に風見に耳打ちをすることでコナンのターゲットを安室→風見に移行させる
・コナン→江戸川への切り替わり!!!(風見への盗聴器仕掛けるところ)
・まさかあんな盗撮・盗聴に都合の良い位置にスマホ充電器があるとは安室も思っていなかっただろう。
・盗聴中の安室がいる暗い部屋の中に江戸川コナンという光が差している
・依頼人の前で断りなしに電話に出る境子さん…
・梓「どこで誰が聞き耳を立てているか…」←ゼロシコそのものですね
・買い物カートのフレーム越しの風見、同じくフレーム越しの安室
・蘭のバッグがSuperGroupiesの新一モデルなのじわじわくる
・だいぶ情報が集まってきた裁判所あたりから江戸川の服装が赤くなっていく
・境子先生はどこだ!からの音ハメ超気持ちいい
・日比谷公園。安室を大きく見せるカメラワークが続く
・橋を渡った安室、橋を渡ろうとするコナン、橋を渡れない風見(引き返してしまう)
・犯人を突き放すシーンで使うことが多い「江戸川コナン…探偵さ」が風見に向けられる
・「安室という男は…人殺しだ」でカラスが飛ぶ。安室・降谷はともかく、バーボンが人を殺していないはずがない
・混乱している警視庁内の喫煙所のカット。表ではできない話(密談)をしている?
・窓ガラスを伝う水滴がくっついて一つに→協力者の暗示?
・(同席者ハリハリ)「前髪あげてフォーマルな格好した安室さんが見たい」←なんて子だ…の髪かきあげを見て
・@日本橋。同じ方向を向かない風見と安室
・「怖い男がいる」でコナンのイメージカラー青の川を映す
・仏壇前でうなだれる羽場の両親のカット。やはり逆光
・サヨコのジャケットの火を消そうとする日下部がウォーターサーバーのボトルに映る。→わざと水で消火していない
・ゼロシコは音声による情報のやり取りが多い
・江戸川が積極的に情報を取りに行く。とくに境子の追い詰め方は完全に安室のやり口
・日比谷公園の橋がカットによってどう見ても伸びたり縮んだりしている
・「許せません!」と叫ぶ羽場は光に背を向けて、光から遠ざかろうとしている
・羽場について語る境子とコナンの間に、夕日が差し込んで境界ができている
・影→光に移り変わる境子の表情を呆然と見つめるコナン
・英理の弁護士事務所でいったい何枚ハンドアウト*1開いた???
・推理シーンはオープニングのカラーが逆順で使われている
・メインテーマがかかると展開や演出もコナン映画っぽくなる
・スケボーに乗ったコナンとマツダに乗った安室。ようやく目線がそろうが、向いている方向は真逆
・この時点では車に同乗しない!
・ガラスを自らの手で割って「行け!」と呼びかける安室
・トンネル→夜→宇宙(を思わせる空)のカメラワーク!!!!!
・映画目暮警部のお約束「いったい何が起きてるんだ!」
・かなりの長距離を走りながら電話で安室に情報を伝えてくれる風見
・下から上へなめるように警視庁を映すカメラワーク。警視庁が巨大なものとして描かれている(同様の意図のカットは計3回)
・「死んだ人間をよみがえらせるのさ」←安室には赤井秀一をよみがえらせた実績あり
・警視庁玄関。コナンは走るが安室は歩いている。歩幅の差だけでなく、安室は人ごみに逆らって動くことに慣れている
・安室が振り払われるレアなシーン。がんばったな日下部!
・自動ドアに阻まれる日下部、阻まれないコナンと安室
・安室が一度コナンと歩調を合わせてからスピードをあげて対象に向かう(純黒にもあったシーン)
・日下部の確保はボクシングではなく柔道(=警察の技術)
・正義のために人が死んでもいいのかと問われて目を泳がせる日下部、まっすぐにコナンを見つづける安室
・「そんなの正義じゃない!」のあとのカット、安室がまったく映っていない
・ゲーム会社に侵入した羽場はパーカー。小五郎のPCハックしてたときの安室の格好と似てる
・面会室のガラスに手を伸ばす日下部(ガラスの向こうに手を伸ばすのは境子と日下部のみ)
・日下部の慟哭と重なって映る巨大な警視庁が光に塗りつぶされていく
・(初見の同席者C)「え、羽場死んでないの?」(一同)「ですよねー。安室さんひどいことしやがると思うよねー」
・羽場と安室、二人ともアラサーのはずなのに高校生男子にみえる…
・羽場も日下部も境子も泣くけど安室は泣かない
・電話に出ない新一、バッテリーが切れているコナン
・月明かり。夜にも光は差す。コナンは光、安室は闇
・安室のコナンの扱い、Child Abuse*2だよね…
・安室→コナン「すごい子だ」、コナン→少年探偵団「すげー奴らだよ」 Child Abuseの連鎖…
・(同席者A)勝手になにも知らない子供たちを武装キャンプに巻き込むの良くない
・上空から安室の瞳に飛び込んでいくまでの一連のカメラワークなんなの超きもちいいけどなんでこうなったの
・「日下部さんがどん底から引き上げてくれた」と語る羽場。日下部の協力者になる1年前に境子と出会ってるはずなんですがそれは。
・境子と日下部が今回の件に投入されたのは安室の仕込み?小五郎を確実に無罪にするだけならば検察が手を抜くだけで十分なので、テロの犯人がどっちかだろうと目星をつけていた?
・涙を流す羽場の映像が消え、液晶に境子の背中が映る
・階段の上の段に立ち、ゼロシコではじめてコナンの目線が安室より上に
・相互に協力者となって、やっとコナンは助手席に座る
・(同席者B)「あと5分って言われてからマジで5分以内に終わります!」
・カーアクションの直前にシートベルトを握るコナン。まだ事態を覚悟する余裕がある
・(ゼロシコ初見の同席者C)ソニックでこういうの見た
・「僕の恋人は…」の手が色っぽすぎるせいで「車さ!」って言うかと思った
・小五郎が蘭に「離れるなよ!」と言って蘭もうなずくが、人並みに押されて離れ離れになってしまう→小五郎は(ゼロシコにおいては)事態をコントロールする力を持っていない。ただし、次のカットでは合流できているので家族を守る力はある
・国家権力の力(ピストル)でガラスをぶち破りコナンを守る安室
・最後の謎を解いて、ふたたび反対方向に歩いていく安室とコナン。象徴的であるのはいいとして、安室はどこから出ていく気なんだ
・エンディング曲中の後日風景。小五郎が事件のニュースに何も思わずチャンネルを回している
・メシマズが原因でケンカをしている夫婦に食い物を差し入れに来る安室の人間性の低さ
・「零-ZERO」でゼロ読みの漢字を無と零で使い分けてるのは降谷強火担の所業
・エンディング後、コナンの服がいつもの青スーツに。哀もイメージカラーの紫にもどる
(観賞終了)
感想
みんなで見るゼロシコ、たのしかった。
書き起こしながら思い出したんですが、安室がコナンを怖いと思っているシーン(日本橋、ラストの謎解き)の作画、童顔をとおりこしてほんとに少年みたいに描いてありますよね。中学生くらいに見える瞬間がある。とても儚げでかわいいです。
それはそれとして「警察は証拠のない話には~」の安室の背中、とても鍛え抜かれた広い背中でいいですよね。守ってほしい(日本を)。
ぱくりすぺくと! 影響を受けまくってる動画を紹介
動画を編集しながら、「あ~、この演出はあの動画っぽいな~影響されてるな~」と自分で思った動画を紹介します。
どれもメッチャオモシロなのでぜひぜひご覧ください。
あ、霧崎カードワースも最新作アップしましたので、こちらもよろしければ見てくださいな!
弓削P - 『アイドルたちの何気ない日常』シリーズ 他
フォント芸の達人。この域に達してみたい。
アイマスPを視聴者に想定している前提があっても、フォントだけで声を聞こえさせる画面作りはすごい。音楽とのマッチングがすごいんだと思うのですが言語化できねえんだよな……。
良い意味での中二病感あふれる設定を回しきっているストーリーテリングと胆力が素敵。
紹介したシリーズは『アイドルたちのじゃんけん大会』の後日談にあたるのでじゃんけん大会をみてからのほうが良いですが、まあいきなりこれ見ても大丈夫だよ。面白いから。たしか私も何気ない日常から見始めたし。
どのアイドルもめっちゃ可愛いですが、みきいおの可愛さは異常。
ところで第4部の投稿はいつでしょうか私は待ち続けています。
ておくれP - 「アイマスクエストⅣ 閣下列伝」シリーズ
ドラクエⅣの世界へ異世界転移したアイドルたちががんばる話です。私が霧崎をしれっと異世界に送ったのは、アイマス架空戦記をつくった数多のPたちの影響があります。責任とってほしい。
ておくれPはゲーム系の架空戦記でいろいろと伝説を作ったすごい人。とりあえず編集能力の成長曲線がヤバイから1話から順にみてくれ。一章と二章のクオリティがもはや別動画。時間と根性と愛があれば人はどこまでも羽ばたけるんだ……。
しかし今は時間が無くなってしまい、一人での作成を断念。チームておくれとしてシリーズの完成を目指しています。愛が深い。
浅木 さん - FBNsと弟組が爺とにゃんこCoC
TRPGリプレイ動画であるまじきゆっくり調教のクオリティ。ゆっくりは調整をしなくてもそこそこ聞き取れるのですが、きちんと調整されていると視聴のストレスが格段に減るんだなとわかります。耳が楽。
キャラたちを愛しているからこそ、きれいにしゃべらせてあげたいという思いが伝わってきます。投稿動画すべてからにじみ出る品の良さ。人品優れたるうp主とかなにそれ完璧超人?
ゆっくりの調整講座も上げていらっしゃるので、それだけでも見てください。ぜんっぜんちがうんだ!って感動するから。
長兄にっき - 長兄にっき
ゲーム実況動画であるまじきゆっくり調教のry
上記のヘタリアリプレイと違うのは、リプレイ動画ではあくまでゆっくり読み上げは補助なのに対し、実況動画のゆっくり声はメインコンテンツであるという点です。
つまりどういうことかというと、ゆっくりを「おもしろく」しゃべらせています。(ヘタリアのほうは、気持ちよくしゃべらせています)
自然なアクセントは大前提としてそなわっており、そこにあたかもおそ松カラ松がしゃべっているかのような抑揚をしっかりつけていく丁寧な仕事。Part1からあのクオリティって天才かよ。
「兄弟」と書いて「クソども」と読ませるなどして笑いを取ることもできます。これは聴きとりやすい調整あってのテクです。
また、この方がすげーのは効果音の使い方です。ゆっくり実況なのにすさまじい生活感。
ビールの缶を開けてコップに注いで飲む、部屋に入ってきた蚊を追い回して仕留める、などをほぼ効果音だけで語り切ります。夏の時期に投稿されたPartなんて、蒸し暑さがなんとなく伝わってきましたよおっそろしい。
妙楽さん - 妙楽キチロイドシリーズ
実況動画ってなんでもありなんだなと思わせたシリーズ。
妙楽氏の最初期動画はわりとふつうなゆっくり実況なのですが、結月ゆかりを買っちゃったあたりからどうも様子がおかしくなっている。ボイスロイドたちに内なる闇を引きずり出されたんでしょうか。
キチロイドシリーズとは、頭のおかしいボイロたちとそれに巻き込まれるゆっくり饅頭たちのほのぼの日常(うp主談)動画。ボイロたちがキチっているのは、ボイロゆえの業に押しつぶされている場合もあるがたんなる性格によるものもいます。ゲーム実況動画とタグ付されていますが、キャラのストーリーメインでゲームがほぼ背景になっているものも多いです。私はコウ先生とダウナーゆかりさんが好き。コウ先生とサシでお酒飲んで「お前ほんと死ねよ」って言いたい(そして身もふたもない正論を吐かれたい)。
TRPGリプレイ動画も投稿している方です。「酔っ払い卓」で検索したら短めのが上に来るから見てみよう。ひっでえぞ。
投稿頻度が多いのも素晴らしいのですが、回を増すごとに編集スキルが上がっていく向上心と遊び心が素敵。個人的に、動画の編集スキルは真面目さと遊び心を両方持っていないと上がらないと思うのです。試してみようという気持ち大事。カメラ制御を覚えた時の進化がすごかったのでいつか私も覚えるぞう。
Windressさん - マクロスE(エキサイト)
私がはじめて「効果音って、すげー」と思わされた動画です。
マクロスE(エキサイト)というのは、マクロスFの本編台詞・歌詞をエキサイト翻訳にかけて再アテレコをした動画。
エキサイトして言葉は意味不明になっているのに、演者たちが無駄にうまくてすさまじい才能の無駄遣いを感じる、そんな昔のニコニコらしい企画でした。
Windressさんは そんなマクロスEの音響を担当しており、紹介した動画では効果音をどうやってつけているかについて解説(?)しています。さほど長くない動画なので、効果音のアリナシで印象がどれほどちがうか体験してみてください。
普段見ているアニメの音響さんへの敬意が高まると思います。
以上、私が影響を受けまくっているパクリスペクト先をご紹介しました!
しょ、紹介したからこれからもパクリスペクトして、いいよね。ね!
動画投稿主になりました【霧崎カードワース】
クリスマスも終わり、年末年始ムード一色の今日この頃いかがお過ごしでしょうか。
私はうっかり動画投稿主になりました。なにやってんでしょうね。
いやだってめっちゃ楽しいんですもん、動画編集。
この一か月くらいこちゃこちゃしてて、思ったことを適当に書き連ねていきます。
ぴったりくるタグがない件
私の作っている動画はカードワース(フリーRPG)世界に霧崎第一の六人がワープしてしまった、いわゆる異世界転生(転移)ものです。
一作目をつくっていざ投稿しようとしたら、このジャンルを言い表すタグが存在しなくてびっくりしました。
「あっれ~?コンピュータゲームと黒バスの動画ってけっこうあったよな???」と思い当たる動画をいくつか見てみたのですが、それらについていたタグは「黒バス実況(偽)」。
黒バスのキャラたちが実況動画を投稿している……という体のタグです。
霧崎カードワースは花宮たちが実況をしているのではなく、ゲーム世界に入ってしまっているのでこのタグは正確ではありません。
代替案をさがしてみるも、ヘタリアにおける「ゲーム系APヘタリア」や「iM@S架空戦記」のような強い(投稿数の多い)タグは存在していないようでした。
なんてこったい。
おそらく、黒バスが大流行りしていたころにはゲーム実況動画と卓ゲ動画がニコ動に定着していたため、架空戦記系動画がそもそもつくられてこなかったという経緯があるのでしょう。
そういえばpixiv二次でも逆行(原作ストーリーの記憶を持った状態で過去からリスタート)ものこそあれ、原作世界以外が舞台の作品ってたいていパラレルな気がする……キャラ本人が転移/転生してるの少ない気がする……。
ようするに私の感覚が古いんだよと言うことですねオーマイガ。
……でもよくよく「ゆっくり実況」タグを巡回してみたら、実況じゃない動画けっこうあるな。実況してないボイロ実況とかもあるしな。これ、「黒バス(偽)実況」使ってもいいんじゃないか?
→使ってみました。どうなるかはお楽しみ。
動画づくりは料理に似ている
動画編集してる間すっげー既視感があったのですが、うん、動画つくるのって料理に似てる。
- 素材(元動画、音声、画像)を用意
- 道具(各編集ツール)を準備
- 素材を下ごしらえ(音声の正規化、フレームレートを合わせる、インターレース解除etc……)
- 調理(編集作業)
- 盛り付け、配膳(投稿、宣伝)
下ごしらえが不適切だと音ズレしたりノイズが入ったりして見づらい動画になりますし、ツールを使い慣れてメンテもキチンとしないと手際がどんどん悪くなっていきます。
手順をミスったときの困り具合は料理のほうが上ですが、それでも混乱するので適切な作業手順は大事。
いざ編集をはじめて「あ、あの素材が足りねえ!」ってなると無駄に慌てたり。
まあ今はほとんどの素材が探す時間含めて5分くらいでダウンロードできるので、調味料をコンビニに買いに行く感覚ですが……。それでも作業は止まるので集中が一回切れちゃいます。メインの動画(ゲーム実況なら録画したゲーム動画)が無いとかは致命的な事態を引き起こしますしね。
私も今回、思いつきでゆっくり声を当てたせいでボイスの尺が足りねえ!って困る羽目になりました。
素材も今後どんどん増えていくでしょうから、整理整頓は工夫のしどころだなあと思いますね。動画素材は食べ物と違って腐らないけどファイルサイズは重くなるからね!
ゆっくりボイスという名の支配欲
※この話はハリハリの個人的な感覚であり、すべてのゆっくり動画作成者に該当するものではありません!
ゆっくりを調声する快楽ってヤバないですか?
霧崎にゆっくりMovieMakerで声を当てているとき、何度かぞくっとする気持ちよさがあったんですよね。
それは決まってキャラを生き生きとしゃべらせることができたときで、最初は単純な達成感だと思ったんです。
でも、なんかちがう。
どこか後ろ暗いかんじがある。
で、なんだべなーと考えてみたのですが、これ支配欲だわ。
自分の考えたセリフを、自分の望む調子でしゃべらせるってかなりそそります。
小説ではちょっと難しい。読者の脳内音源ライブラリをいじれないし、アクセントまで制御しようとすると文章がくどくなってしまう。
漫画ならフォントや擬音でもうちょっと表情がつけられますが、それでも作者と読者が脳内で聞く声は一致しない。
たとえ機械音声であろうと、「こんなふうにキャラがしゃべってるんだよ!」というのを押し付けることができるメディアってめちゃめちゃ強いと思います。
いや、もちろん私が人脈のある石油王ならプロ声優を何人も使えるんでしょうけど……でもさ。声優って人間じゃないですか。私は人権意識が高いタイプのオタクなので、たとえ相手がプロであっても自分の趣味と妄想を押し付けるのはなんだかはばかられるんです。
でもなんか機械なら、マシン相手なら平気で出来る!「俺の思うとおりにしゃべれ!」ってやれる!
そしてイメージ通りの声が出た瞬間めちゃくちゃ気持ちいい!やばい!!
……とまあこんなかんじで、ゆっくりの調声は私にとって大変な愉悦です。
ゆっくりやボカロの調声のことをスラングで「調教」と言いますが、あながちふざけているわけでもないような気がします。
人間にはやっちゃいけないレベルの押し付けをしていい機械音声への命令入力は、まさしく調教という言葉がふさわしい。
視覚は聴覚に支配される
Illusion Forum イリュージョンフォーラム 錯聴 視聴覚統合 ダブルフラッシュ錯覚
ダブルフラッシュ錯覚という錯覚があります。
一度しか点滅していない図形に二回鳴る音を重ねると、二回点滅したように見えてしまう、というものです。
ここまで極端ではないにしろ、動画づくりは視覚だけではなく聴覚もすごく大事だなと強くかんじます。ベテラン動画投稿者にいわせれば「当たり前だろ」ってところでしょうが。
BGMがブツッと切れると視聴者の集中力も一緒に切れるし、なにかアイコンを出すなら効果音を伴わせないと気づいてもらえない。
逆に、適切な環境音声があれば状況は言葉にしなくても想像してもらえるし、効果音ひとつで微動だにしない立絵に動きを錯覚させることもできます。
動画づくりは、人間の視覚に聴覚がどう作用していくかを学ぶにはめちゃめちゃ良い教材です。すっごい楽しい。
すっごい、楽しい。
私は物心ついたときからずっとミュージカルを観ていて言葉とストーリーと音楽の関係についてはたくさん考えてきたのですが、なんだろうずっと何か物足りない気がしていたんです。
動画をつくりはじめてから、効果音と環境音とBGMが面白くて仕方がない。まさか盲点が効果音だったとは。
舞台演劇って効果音をかなり限られたシーンでしか使えないのですが(ちょっとした物音なら生音でいいし)、動画だとこんなに効果音が必要になるんだとびっくりしました。
あるタイミングで、ある音量で、ある長さで鳴るある種の音は、多くの人間に同じ光景を想像させるってすごく面白いと思うんです。
ミュージカル「HEADS UP!」感想
2017年の観劇納めが最高の演目だったので感想を書きます。
いやほんと。このブログ読まなくてもいいんで観に行ってください最高ですから。言いたいことはそれだけなんです。
ミュージカルファンなら誰もが知る”あの名作”が1000回目の公演を終え、華々しく終了する、はず…だった。
しかし、主演俳優の鶴の一声で、某地方都市の古い劇場で1001回目を上演することに!さあ、現場はてんやわんや。舞台美術は廃棄済み、スタッフの人手も足りない、キャストのスケジュールも押さえていない…、さらに、舞台の総指揮を執るのはこの作品が初めて、という新人舞台監督!とんでもない条件の中でもスタッフたちは必死に幕を開けようと奮闘する。幸か不幸か、チケットは完売、つまり観客が待っている!!
舞台本番当日、新米“舞台監督”のデビュー作は問題山積!
果たして幕は無事に開けられるのか…。
HEADS UP! あらすじ
http://www.m-headsup.com/introduction.html
体ごと楽しめるミュージカル・コメディ
シリアスな作品も決して嫌いではありませんが、私は笑える作品のほうを好きになる傾向にあります。
創作やったことある人ならわかると思うんですけど、人を笑わせるのって難しいんですよ。泣かせるのも難しいですけど笑わせるのは本当に難しい。
コメディ脚本書けって言われたら、私は逃げ出したくなります。
だからまず質のいいコメディは尊敬が先に立つんですが……。
それはそれとしてHEADS UP!はめちゃめちゃに笑わせてくるんですよ!
時間当たりの笑った回数、アベニューQより上かもしれない。一幕終わりとか笑い死ぬかと思ったわ。
しかも力技の笑い(変顔とか奇声とかイジりとか)はほとんどなくて、ひとつひとつの笑いどころが上質。
下手なお笑いライブ行くより笑えることは保証します。
基本的にはミュージカル好きに狙いを定めた作品ですが、舞台をあまり見ない人もきっちり引き込んでいくようにつくられています。(ド頭のシークエンスはほんとうに良くできている。大人向けの「♪幕を開けよう(劇団四季)」ってかんじ)
ひいきの役者が出ていたりするなら観て損はないです。
生で見る哀川翔ヤバかったですよ。最前で見てしまったせいもありますが色気にくらくらきました。
リッチな曲と振り付け
私が和製ミュージカルを敬遠する理由の一つは、単純に質が低いからです。
役者ではなく、脚本演出音楽振付あたりになーんか逃げを感じることが多い。テニミュに代表される2.5次元のほうが、芸は荒くてもチャレンジしている分すがすがしいです。
腹が立つのは、海外作品の翻訳上演をやるなら難しいことやらせるんですよ。役者も応えるんですよ。つまり海外作品ができる(歌って踊れる)スキルは役者のほうにあるにもかかわらず上流工程が逃げをうつんですよ!
で、HEADS UP!がどうだったかというと、めちゃめちゃ攻めてました。
いや重唱とかちょっと稚拙だったところもあったけどねでも豪華だった。ふだん翻訳歌詞ばっかり聞いてるから、最初から日本語で付けられた歌詞の聞き取りやすさに泣きそうになりましたよ増えろ良質和製ミュージカル。
「チケットは売れている」とか最高でしたね。
振付もわかりやすくて楽しくてかっこいいというミュージカルとしては最高オブ最高。川崎悦子さんってどなただろうと調べてみたらキャラメルボックスとかの振付もしてたんですね超納得。
舞台が好きな人すべてに刺さる
HEADS UP!は舞台裏ミュージカルです。
いわゆる楽屋ものくくれなくはないのですが、やっぱり「舞台裏」と言うのがしっくりきます。なぜなら役者ではなく裏方スタッフの話だから。
主役は舞台監督。ストーリーの中心は仕込み*1とバラし*2。
私も大学サークルでミュージカルをやったことのある人間なので、めちゃめちゃ懐かしかったです。なぐり(=かなづち)とか久しぶりに聞きましたわ。
「ここ危ないよ」みたいなセリフが何度も出てくるんですが、わかるわかる。劇場ごとに危険な場所って絶対あるんですよ。見えづらい段差とか天上低いとか。お互い声をかけあって注意し合わないと誰かが怪我するんです。(新人が怒鳴られる一番の原因であり、スタッフも声を出さないと怒られる理由)
観る専の人にとっても、「裏ではこんなことやってるんだー」と感慨深いことでしょう。演劇ではなく、コンサートやライブが好きな人にも通じるものがあると思います。
さて、ここからネタバレありの感想になります!
行をあけるので観てない人は鑑賞後にどうぞ~。↓
どこまでも誠実な構成
HEADS UP!のテーマはなにかと問われれば、私は「舞台愛」であろうと答えます。
古今東西、舞台とは何か演劇とは何かという作品はたくさん作られていますが、ここまで深みがあって楽しい回答を見られて本当によかった。
印象的なのはラストで新藤(新人舞台監督)が撤収直前の最終確認を行い、床板のあいだに挟まった紙切れ(?)を見つけて取り除くシーン。
あれ、雪のシーンとかで使った紙ふぶきの可能性もあるのですが、おそらく「ドルガンチェの馬」の前に使った団体が残していったゴミなのではないかと思います。
「クギ一本残してはいけない」と歌われたように、ドルガンチェのカンパニーも物理的にはなにも黎明会館に残してはいかなかった。むしろゴミをひとつ取り除いていったくらいです。
作って壊して、何も残さない。その場にいたスタッフと役者とお客さんの熱だけが劇場に沁み込んでいく。その熱は目に見えなくてもたしかにある……と信じて舞台は上演され続ける。
美しいなあと感じ入るしだいです。
あのシーンに説得力を持たせたのは中川・相葉両者の芝居ももちろんですが、HEADS UP!のカンパニー全体がその思いを共有しているからこそだろうなと思います。
クソなところもちゃんと表現する
笑いにまぎれて、演劇業界のクソなところもちゃんと言及されてたのめちゃめちゃ誠実だなと思いました。
具体的には「あたしの夢は『女で舞台監督』」と話す小道具係とかですね。
夢は舞台監督、じゃないんですよ。"女で"舞台監督なんです。つまりプロで食ってる女の舞台監督がたぶん日本に存在していないか相当な希少価値だということです。ちなみにHEADS UP!の初演は2015年なので現代の話です。
小道具係役の新良エツ子さん、笑顔と元気が素敵だったのですがそれよりなにより胸がデカいんですよ。たぶんEはある。黒の半そでポロシャツがきれいなお椀型に盛り上がっていました。すげえ眼福だったというのはおいといて、間違いなくこのキャスティングはわざとです。
豊かな胸は古来より女性のシンボルなんですよ。それをしっかりもっている人が「舞台監督になりたい」と言うのマジしんどいなと思いました。
食えない役者がバイトのほうのプロになってしまうとか、大御所役者に振り回されるとか、ベテラン演出家に現場が振り回されるとか、役者のプライベートな人間関係で現場が振り回されるとか……
コメディタッチだから笑って見れますけどあれシリアスにやったら地獄絵図ですからね。エンタメ業界にいる人たちはほんとに覚悟ガン決まりだと尊敬するとともに、「もっとクリーンになってくれよ……」と思ってしまいました。
素敵な舞台の裏が地味なのはいいけど、裏がイリーガルでブラックなのは嫌だもの。チケット代を払っている以上、この点についても我々は共犯関係なのだと思います。
フツメンとブサイクが大活躍
メインキャラがだいたい出そろったところで思ったのは「すげー、美形がいない!!」でした。
新藤役の相葉裕樹さん、バイト君の池田純矢さんを除いて、残りの男性陣はおっさんとフツメンとブサイクとデブなんですよ。アンサンブルもブサイクにみえるメイク衣装。女性陣もアンサンブルと主演女優以外はパッとしない見た目。
ミュージカルってステージにいるひとみんな美形がふつうなので、めちゃめちゃ新鮮でしたフツメンだらけの舞台。
(あー、ブロードウェイ版のビリーエリオットはフツメンだらけだったな。ああいうかんじです)
黙ってたらパッとしないフツメンたちがめちゃめちゃ生き生きと裏方を回してるのはすごい元気がでます。
なにがすごいって、あの場でいちばんイケメンな新藤は自分に自信がないせいで微妙にオーラが薄いんですよ。演出部のおっさんたちのほうがよっぽど格好よく見えるレベル。
人間は顔じゃねえってのはこういうときに言うべき台詞ですね。
哀川翔がエロイ
生で哀川翔を見たのはじめてだったのですが、ヤバイですね。
引き寄せられるような色気がありました。くらくらした。
以上、思いつく限りの感想をあげてみました!
HEADS UP!はいいぞ。