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オブラ・ディン号の帰港(Return of the Obra Dinn)のネタバレなし感想&攻略ヒント

クリアしたぞオブラ・ディン

Papers, pleaseの製作チームがリリースした推理アドベンチャーゲームReturn of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰港)をクリアしました!

ゆるゆるプレイしてクリアまで2週間くらい。実プレイ時間は15時間。さいっこーに楽しみました。

store.steampowered.com

「オブラ・ディン号」
情報、求む
1803年、航海中に消息を絶つ
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竣工年・場所:1796年、ロンドン ~ 800トン、喫水18ft
船長:R. ウィッテレル ~ 船員数:51名
最終航海の目的地:東方 ~ 喜望峰に予定どおり到着せず
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同船に関する証言および質問は
イギリス東インド会社まで
ある保険調査官の体験をモノトーンで描くアドベンチャーゲーム
時は1802年。200トン以上の交易品を積んだ商船「オブラ・ディン号」が、ロンドンから東方に向けて出港した。その6か月後、同船は予定されていた喜望峰への到達を果たさず、消息不明扱いとなった。

そして今日、1807年10月14日早朝のこと。オブラ・ディン号は突然、ファルマス港に姿を現す。帆は損傷し、船員の姿も見えない。これを受け、東インド会社ロンドン本社所属の保険調査官が、ただちにファルマス港に派遣された。同船内を直接調べ、損害査定書を作成するために――。

「Return of the Obra Dinn」は、探索と論理的推理で展開する、一人称視点の謎解きミステリーアドベンチャーゲームである。

 (Return of the Obra Dinn on Steamより紹介文引用)

 

オブラ・ディンのここがすごい

しっかりと頭を使うことができるアドベンチャー

本作は紹介文の通り、探索と推理力で進めていくゲームです。最低限のチュートリアルとヘルプ文が用意されているのみで、どのように筋道立てて事実を解明していくのかはプレイヤーに委ねられています。ヒント役のキャラとかいません。手がかりが見つからないとこうなります。

 

その分、手がかりがつながったときの気持ちよさはハンパではありません。ネタバレになるから名前出せないけど彼とか彼とかわかったときPCの前で踊りましたわ。

 

難易度低めのアドベンチャーやノベルゲーももちろん楽しいですし私も大好きですが(最近すげえなと思ったのはネットハイ)、たまにはこういうガッツリとプレイヤーに挑んでくるゲームもしびれますね。

 

音楽・効果音の使い方が素晴らしい

 

 とりあえずこのPV見てほしいんですけど、めちゃくちゃメインテーマかっこよくないですか!?

ゲームやるとこのレベルのBGMがガンガン聞けるんですよ。*1全部で何曲あるのかはわかんないんですけど20曲くらいはあるんじゃないかな…。サントラ発売はよ。

そしてこのゲームは、効果音&効果音的な短い音楽(ゼルダの謎が解けたよ音とかの類い)の使い方が異様にうまいです。イベントシーンで音ハメしてくるときあるんですけど、渋すぎてそのシーンだけ何周もしたくなる。

 

親切なUI設計

プレイヤーによっては心折難易度なのをカバーするためか、このゲームのUIは非常に考え抜かれています。

ゲーム中何度も何度もペラペラとめくり続ける、オブラ・ディン号乗員乗客の安否を記載していく手記がなんだかんだ使いやすい。不思議な力で現在地とか教えてくれるし、顔を見たらスケッチと照らし合わせてくれるし。

「手書きメモ必須」と書いてるレビューもありますが、個人的にはなくても全然いけるかな…。多少プレイ時間は延びるかもしれませんが、PCのみでもまったく問題なくクリアできます。

 

淡々とした調査の中で芽生える親近感

亡くなった人が「死んだ瞬間」に立ち会うことができる不思議な懐中時計を使って、プレイヤーはオブラ・ディン号の調査を進めていきます。

調査対象者は総勢60人。序盤はマジで先がみえず「いや無理やろこれ…多すぎるしハゲは区別つかねえしマジ調査投げたい無理」みたいな感じで、ごちゃごちゃとした人の多さに若干のイラつきすら感じていました。

ですが、調査をすすめていくうちになんだか愛着がわいてくるんですよね。最初ヤベー奴だと思ってた人の意外な側面を見たり、平和な時間帯の表情を見たり、人間関係を理解していくので。だんだん顔と名前がふつうに一致してきちゃって、自分が61人目の乗組員のような気すらしてくる。(私の推しは士官候補生ズです)

淡々としたゲームなのに、船を下りるときに不思議と寂しさを覚えたのが心に残っています。

 

 

オブラ・ディンのここはイマイチ

めちゃくちゃ船酔いする

3D酔いしやすい人は注意してください。めちゃくちゃ酔います。酔いました。

それでもプレイしちゃうくらいの魅力はありますが、吐き気と頭痛をこらえながらの調査は心身に悪いので自衛してください。

設定から「カメラ操作スピード」を調整すればいくらかマシになります。

 

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「遅い」くらいがプレイしやすいと思います



詰まったときのフォローが皆無

オブラ・ディンのゲーム設計的にしかたないんですが、完全にわからなくなってしまった時のリカバリーがゲーム側からは提供されません。プレイヤーは気分転換しつつ根気よく推理と探索を続けるしかない。私がプレイしていたとき、一番ほしかったのは「既プレイでヒント出すのがうまい友人」でした。

ですので、ここからは私が考えるオブラ・ディン号の調査をスムーズに進めるコツみたいなのを書いてこのエントリを終わろうと思います。

 

 

オブラ・ディン号の帰港 攻略のヒント

手記を使いこなす

オブラ・ディン攻略のキモはなんと言っても「誰が誰か」の特定です。この要素が8割。ですので、手記には人物の特定作業を楽にするための機能がしっかりついています。特に以下の2つは見落としがち、かつ使えるととても便利なので覚えておいてください。

  • 注目(E)⇒手記を開く(Tab)で注目している人物のスケッチに移動
  • 人物名の選択肢「不明 役職名」は、役職だけがわかっているけれど名前は特定できていないときに使う。

 

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役職は「司厨手」なんだけど名前がわからん!ってときにメモ的な使い方ができる



手記は全体に目を通す

攻略につまったときは手記の全体を眺めるのがおすすめです。出来事の流れを把握しておくのは攻略の第一歩。また、用語集は読んでおかないとかなり攻略が厳しくなります(船舶用語に詳しい人以外は)。

 

会話はスキップしない

すでに見たことのある出来事は会話・音声をスキップして探索に入れるのですが、できるだけスキップしないことをおすすめします。視覚情報に比べて繰り返し触れる回数が少なくなる分、情報が盲点に入りやすいです。かなりクリティカルな情報も含まれているので、会話は毎回ちゃんと聞いて読みましょう。

 

レアケース脳は捨てよう

このゲームでレアケ脳やってるといつまで経っても推理が進みません。すべての手がかりは制作者からのヒントなので素直に受け取りましょう。ボブと呼ばれている男がいたらそいつはボブですし、船医だと名乗った人は船医です。

 

それでもわからなくなったら

英語のサイトですが、Gameplayがちょうど良いヒント集をつくってくれてるので、どうにもならなくなったら見るといいと思います。私も使いました。

他のサイトだと答えをそのまま載せてたりするので、自力で探すときはご注意ください。

gameplay.tips

 

以上、オブラ・ディン号は楽しいぞというお話でした。みなさま良い調査を!

*1:聴いていられる心境かは保証しない